タクシーがやって来た。
二人は後席に乗り込んだ。
「○×町までお願い」
「了解しました」
車内では沈黙が続いた。運転手も雰囲気を察してずっと黙っていた。
5分後。
「ここで降ろして下さい。料金はクレジットカードで」
そこはコンビニの前だった。
「ご利用有難う御座いました」
「中に入るわよ。天気が悪くなる前に」
タクシーに乗っている時からもくもくと上がり続けた入道雲が、
今にも降り出さんとしていた。
「さぁ何買おうかしら」
とか言いながら聡子は真っ先にある物を探していた。
(0.01mm)
と書いてある四角い箱を買い物籠にさりげなく入れた。
後ろから見ていた一也は、
「タバコかな?」
と思った。
薄いタバコである。。。
その他に食料品やお酒などを買って店を出ようとした時、
ざっと一雨来た。
「ちょっと待ちましょうか」
一也を見つめる聡子の顔は上気ずっていた。
つづく