前回のつづき
なんと聡子の逆ナン??
「ちょっと腕組んで良いかしら?」
聡子は一也の左腕に自分の右腕を回した。
(ええ?大胆な!?でも気持ちいい!)
助平である。
聡子は思った。
(あら!腕も筋肉質で男らしいじゃないの。さすがは私の見込んだ男ね)
何を見込んだのやら。
そうこうしているうちに喫茶店に辿り着いた。
「喫茶アムール」
「ここよ、入りましょ。勿論あなた持ちでね」
(やばい、金欠なんだよな)
「あ、ちょっと待って下さい。実はお金がなくて。上にある公園にしません?」
(行くわ行くわ。あなたの行くところになら何処だって)
「仕方がないわねえ。じゃあ缶紅茶で許してあげる」
「空蝉(うつせみ)公園」
「空蝉?」
「蝉の抜け殻のことですよ」
(やった!知性度1up)
(知ってるわよ。カマトトぶっただけよ 笑)
「ほらこんな所に」
一也は右手の中にある空蝉を聡子の顔に近づけた。
「きゃ!」
聡子は一也に抱きついた。
すっかり恋人気取りである。
つづく