Mahalitoのブログ

少女ロマンス・スプリングをよろしくお願いします

少女ロマンス冬41

あらすじ
不意に鳴った電話

「もしもし」
迷わず取った。
そこに一縷の可能性でもあれば、、、
「楓君」
少し鼻にかかるその声は、桜子のものでは無かった。
「誰ですか?なんで僕の番号知ってるんですか?」
「それはどうでも良いじゃ無い。それよりも今は私達の出会いに祝いましょう」
「此方は恋人が失踪してそれどころじゃ無いんです。失礼します」
「ちょっと待って。まだ切らないで」
「やっと結ばれた彼女が居なくなった僕の気持ちが分かるんですか?」
「わかるわよ」
「え?」
「私も最近男と別れてね。ずっと連れ添ったパートナーだった」
「あの。。。僕自分の事ばかり考えてました。なんだかご免なさい」
「良いのよ。ねぇ明日の今頃にもまた電話掛けても良いかしら?」
「はい。また明日」
そこで電話は切れた。

翌日また同じくらいの時間に電話が掛かってきた。
番号も同じだった。
「もしもし」
「待っててくれたのね。間髪入れずに取ってくれるなんて」
「いえ、お恥ずかしい」
「まぁ良いわ。今日はどんなお話をする?」
「えっと、あなたの正体が知りたいんですが」
「あはは、せっかちね。それはもう少し後にしない?」
少し年上に思えるこの女性はなんだか分からないけど、余裕があるというか。
「じゃぁ明日、休みなんだけど、東京駅のX番乗り場の前で待ち合わせない?」


つづく