Mahalitoのブログ

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少女ロマンス・スプリングその13

あらすじ
男どもを翻弄して隠れ家に帰って来た玉藻

「ふぅ」
そうため息を漏らすと、
玉藻は長い髪をほどき、鏡の前に座った。
「もう何年経ったのだろう」
玉藻が中国で悪さをして、朝鮮で悪さをして、平安で悪さをして、
そして現代。
もう1000年以上経ってしまった。
「いつもやらなきゃ良かったと思うんだけどねぇ」
玉藻は冷蔵庫から缶チューハイを取ってしゅぱっと開けた。
「ぐびぐび。あーうまい!」
身体は若く見えるが、その実成人なのだ。
髪を櫛で梳く。
「さて、テレビでも観るか」
玉藻は大きな水晶に両手をかざした。
そして頭の中でチューニングする。
両端から電子の波がぶつかり、真ん中に結像する。
「よし、今日はこれを見よう」
そうしている内にさっき注文したウーバーの配達がやって来た。
「はい。ご苦労様です。はいお金」
葉っぱを化かした一万円札を渡した。
律儀に9000円も返してくれた。
食事はきつねうどんだった。
「やっぱり人間の食事はこれに限るのぅ」


つづく

たまも