一也は地下鉄の駅構内の通路で女を探していた。
女は仁美といった。
一也は仁美の落とした免許証を持っていた。
(まだ近くに居るはず。。。いや、居てくれ)
一也は何故か免許証を交番に届けず、
直接本人に会って返そうとしているようだった。
一也に交番に行けない理由などない。
一也は真っ当な大学生だった。
免許証は茶色いパスケースに入っていた。
一也はもう一度免許の写真をよく見てみた。
(可愛い。。。なんて可愛いんだ)
そう、種を明かしてみれば一也はこの仁美に一目惚れしてしまったのだ。
そこにOL風の格好をした目のパッチリとした背の小さな女性が後ろから近付いて来た。
その女性はやおらスマホを取り出し一也に気が付かれないように何枚かシャッターを下ろした。
(ふむふむ。この子ね。仁美の免許証を拾ってくれたのは)
女性はどうやら仁美の知り合い?友達?と言ったところか。
(ちょっと仁美には悪いけど・・・)
つづく