あらすじ
その頃綾音は
「そろそろ店員さん来る時間かな?」
時計は3時半を指していた。
店員は夕方以降に来ると言っていたのに、”恋”という魔法は時計の周りを遅くさせるようだ。
「まだかなぁ。いいや、JINEしちゃえ」
(店員さん、まだ来ないの?)
すぐに返事が来た。
(おや、気が早いなぁ。もう少し待ってて。準備ができたらこっちからJINEするよ)
少し馬鹿にされた気がしたので既読無視しておいた。
「店員さんなんていつまで経っても帰ってこないJINEでも待ってれば良いのよ」
(くるるるる)
腹が鳴った。
「おなか減った。おやつ何かないかな?」
冷蔵庫の中を探るとモンキーバナナが一房入っていた。
「これしかないか」
綾音は仕方なく皮をむいてそれを食べた。
「ぴんぽーん」
玄関のチャイムが鳴った。
「おかあさーん。チャイム鳴ってるよ。て居ないのか」
綾音は玄関に向かった。
「はーい。今開けますよー」
開けると、死神がいた。
「きゃーーー」
その瞬間全ての事を思い出した。昨日自分が会って、隆史と胡桃が忘れさせてくれた事を。
「い、いや。来ないで」
綾音は恐怖から尻餅をつき後ろに這いずっていた。
「ぐぉぉぉぉ」
死神の鎌が振り上げられた。
つづく