Mahalitoのブログ

少女ロマンス・スプリングをよろしくお願いします

巌流島の決戦

「武蔵はまだか!」
小次郎は叫んだ。
「遅い。遅すぎる。もう半時は過ぎておるぞ!」
従者が言う。
「もう少しお待ちください。奴は約束は守る男。時間は遅れてもきっと来ます」


その頃島に向かう小舟の上に武蔵はいた。
武蔵は小刀で櫂を削っていた。
そして船頭が船を艪でこいでいた。

「来ました!武蔵が来ました!小次郎様」
「分かっておる。儂とて目は見えておる」
小次郎は立ち上がり物干し竿を片手に駆けていった。
そして鞘を放った。

武蔵はそれを見て
「鞘を放ったな、小次郎。お前の負けだ!」

小次郎が燕返しの一撃目、袈裟切りを武蔵の射程外から放った。
武蔵はそれを跳躍してかわした。
小次郎が燕返しの二撃目を下から切り上げようとした時、物干し竿の重さで少し遅くなった。
そこを武蔵の櫂が捉える。
櫂が小次郎の頭を撃ち抜いた。
「ぐあー」
即死だった。

武蔵が言うには、
「鞘を放ったと言う事は刀の収め所をなくしたということ。それでは勝てぬ」


つづく?