「京香といいます」
「あ、信士です」
揺れる軽トラの中、京香が言った。
「私はマーブルソフトが好きです」
え?信士は思った。
(何をいきなり藪から棒に。あ、そうか)
「暑いですもんね」
信士は助手席の窓をリモコンで開けた。
「優しい人は好きです」
(やったぁ!好感度アップ)
男は単純な生き物だ。
「見えてきましたよ。こっち」
京香が運転席側を見ると、、、
「海だぁ!」
(そんなに海が見たかったのか。連れて来て良かった)
5分とせず砂浜に着いた。
信士は自分の庭の様なその砂浜でベンチを見つけ、
「少しここで待っていて下さい」
と言うなりどこかに行った。
マーブルソフトを両手に持って帰ってくると、
京香はいなかった
(あれ?逃げられたか?)
辺りを見回してみる。
「あ、あんな所に」
7話に続く
つづく