Mahalitoのブログ

少女ロマンス・スプリングをよろしくお願いします

少女ロマンス12

(ところで何か大切なことを忘れているような)
一也は思った。

「そうだ!仁美さんは?仁美さんは何処に?」
(ちっ気付かれたか)
聡子は一也の鳩尾(みぞおち)に重いボディーブローをかました。
「うっ」
一也は一瞬で気絶した。


聡子は一也を近くのベンチまで引きずって行き、仰向けに寝かせた。
そして自分はその頭を自分の太ももに埋めるように座った。。。


10分後。
「う、一体何が」
ラクラする視線のピントを合わせると聡子の顔があった。
「あ」
(むぐぐ)
聡子の手が一也の口を塞いだ。仕方無く一也は大人しくすることにした。
頭上で聡子がニンマリとしているような気がした。

でも。
(もうこうなったら仁美さんのことは忘れよう。ところでこの人の名前はなんだろう)
と思っている矢先、
「私は聡子。あなたの名前を教えてくれる?」
一也は頭を縦に振った。
聡子は手を一也の口からのけた。
「僕は一也です」
一也は懐にあった学生証を取り出して聡子に見せた。
(ふ~ん。若いとは思ったけど本当に若いわねえ)
「え?東京都大学?まじで??」
「ええ、、、まじです」
一也は照れて頭を掻いた。


つづく